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鑑定人と顔のない依頼人〜The Best Offer

JUGEMテーマ:洋画

ある初老の鑑定士が、初めて恋をした。

彼の名は、ヴァージル

恋の相手は顔を見せないミステリアスな若い依頼人クレア。

 

今まで、絵の中の女性たち〜肖像画にしか興味を持ったことのないヴァージルが

人生において、初めて人を好きになったのだ。

 

しかし、その顛末は、膨大な肖像画のコレクションが盗まれ、

彼女も去っていく。

この窃盗事件は、今までのヴァージルの仕事上の相棒が主犯者となり、

顔のない依頼人クレアも詐欺師の1人であったということ。

 

では、実際にそうであったのか。

悲しすぎる話で終わりなのか。

 

人生の終わりに、何もかも失った初老の男が残っただけなのか。

ヴァージルは、自分自身も鑑定の中で、人を騙してきた。

だから、因果応報。自分も騙された?

 

そんな簡単な話で終わらせない。

ラスト15分からが秀逸である。

 

しかし、そこまで到達しきれない観る側の感性であれば

つまり、1から10まで、すべてのものが見える映画が好みなら

余韻の残るこのような映画は、評価に値しないのかもしれない。

 

映画も人を選び、人も映画を選ぶ。

これは、ハッピーエンドにつながっていく余韻を残してくれた。

 

「贋作の中にも必ず本物がひそむ」

 

鑑定士として、ずっと本物か贋作か見極めてきたヴァージル

その彼のこの言葉の意味は、

クレアとの食事の中で、伝えられた。

 

贋作の作者だって、

人間の本能であるオリジナリティー、自分を表現したい気持ちがあり

何かしらのメッセージを絵の中に入れる。

 

目の中に小さくイニシャルを入れたりとか。。

だからこそ、贋作の中にも本物があるのだと。

 

この言葉は、最後まで私の気持ちの中で生きた。

 

最初は騙そうと思っていても、

その騙す中でも、本当の愛の一瞬があったのではないか。

 

嘘偽りのない愛の行為。

その愛の行為は、何度か出てきたが、

ヴァージルだけではなく、クレアの思いも伝わった。

 

 

クレアの語る不幸な過去にしたって、すべてが嘘だとは限らない。

何か下地があり、その中に自己を投影する

それが人間の本能なのだ。

 

 

ラスト15分間にヴァージルが思ったことは、まさにそれではなかったか。

本物と贋作を見続けてきた彼だからこそ、最高の価値を知ったはずだ。

 

そして、実在していた「ナイト&デイ」という喫茶店。

 

 

また、膨大な肖像画のコレクションを初めてクレアに見せた時。

圧巻の美に息を飲みながら、私の前にいた女性たち?と

クレアが呟くが、

女性にとって、それは紛れもない愛の瞬間であったはずだ。

 

目に見える形で、ヴァージルが見せた愛の瞬間。the Best Offer

 

この映画の監督が、

ニューシネマパラダイスと海の上のピアニストの監督だと知り、それも驚いた。

 

 

キスシーンばかりのラストで愛を教えてくれたニューシネマパラダイス

陸で生きるより

海の上の死という生き方を友情で支えてくれた海の上のピアニスト

どちらも余韻がずっと残る映画。

 

そして、この映画も「待ってる」という余韻が残った。

 

 

 

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