映画を語ろう。
愛を語ろう。
愛の嵐〜The Night Porter
JUGEMテーマ:洋画
原題は、The night porter つまり夜の給仕であり、
主人公マックスの生き方の象徴なのだ。
ナチス残党のマックスは、今はホテルのポーターとして生きている。
そこにかつての収容所で弄んだ女性がやってくる。
今は指揮者の妻になっているルチア。



お互いにお互いを気づいた後
彼らの取った行動は、一体なんだったのか?

度々のナチス残党の仲間たちの忠告を聞かず
マックスの口にする言葉は、
「僕は、敢えてドブネズミの人生を選んだ。
夜働くのには、理由がある。
光だよ。
私には光がまぶしいんだ」


 自分の生活を脅かすルチアの存在に
 何故、現れた!と責めるマックス。
 そして、逃げようとするルチア。
 ホテルの一室で、
 激しくもみ合っているうちに
 彼らは、いつしか
 求めあう。
 どうしてほしい! 口に出して言ってみろ。



彼はルチアを愛していた。
僕の天使。
死んだと思っていたのに
舞い戻った天使。

       
彼女の口封じなどは、出来ない。

一方、そして、忌々しい過去の記憶に
最初は、早く逃げたいと思っていたルチアであったが、
彼女は、指揮者である夫を見送り
マックスのアパートにたどり着く。



ルチアが手にした洋服は、当時を思わせるピンクのワンピース
二人だけの倒錯した思い出が蘇る。



少女は、歪んだ教育の中で、飼いならされたというしかない。
それは愛なのか、愛ではないのか。
マックスは、しきりに愛してると言うが、
ルチアの口からは、
一度も愛しているという言葉は発することはなかった。

条件反射のように
むさぼり合う性の歓びは、
支配するもの、支配されるものの恍惚。

マックスは、心の変化を知った仲間の女性に胸の内を話す場面がある。

 ロマンティックなのね。
 いや、そうじゃないんだ
 聖書の物語なんだ。
 そして、マックスは、
 ルチアへの思いで
 彼がしたことを語りはじめる。
 それは、サロメのお話。




何がほしいと聞かれれば
分からないと答えるだけ
良い時もあれば
悪い時もあるから

     何がほしいと聞かれたら
      小さな幸せでも言っておくわ。

だって、幸せすぎたら
悲しい昔が
恋しくなってしまうから。 ♪

ルチアの踊りと歌を見つめるマックス。
そのルチアのために
マックスのしたことは、
彼女が嫌いだと言っていた男性の首を切ったこと。

これこそ、聖書のサロメのお話。

娘サロメを愛していたヘロデ王は、
祝宴の踊りの褒美に何かほしいものはないか。
何でも与えようと皆の前で話した。
そして、サロメは、母親の意をきいて
洗礼者ヨハネの首をほしいものと答え
王は、その通りにしたと言う話しである。

マックスとルチア。
二人の求める先には、何があるのか。
 ルチアは、
 失踪した形で夫からの捜索願が出て
 マックスは仲間からの追放。
 どうにも逃げることも
 出来なくなった二人が
 起こした行動は、
 当時を思い出す装いでの出発だった。
 マックスのナチスの軍服
 ルチアの少女の頃のピンクの洋服に
 そして、ハイソックス。
 彼らの時は、止まっていた。
 何年過ぎていても止まっていた。 
 止めることのできない性。
 誰もわかりっこない思い。
 小さな幸せ。

 マックス役は、あの「ベニスに死す」で、
 少年の美しさに惹かれ焦がれた老教授役のダークボガード。
 最初は分からなかったが、
 見ているうちに同じような感覚を感じた。
 
 ルチア役のシャーロットランプリングは、
 いつ見ても涼やかなあの目が魅力的であり、
 今回は、少女役も全く違和感もなく
 淑女になったり、理性を失った女性になったり、
 一つの映画の中で、たくさんの顔を見せてくれた。

  





 
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