映画を語ろう。
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ミツバチのささやき
JUGEMテーマ:洋画

最初のシーンで字幕が出た
1940年。
ただ、これだけで下地に戦争があるのではと思う。

町に移動映画がやってきた。
上映されるのは、「フランケンシュタイン」
観るものは、各自イスを持ってその場所に入る。
その映画を見つめる子供たちの瞳の無垢さに
ただ感動する。
改めて、私がこんなに思うというのは、
そんな世界にもう生きていない証拠なのだ。
私は、充分大人になりすぎている。

イザベルとアナの姉妹も食い入るような瞳でそれを見る。
フランケンシュタインと少女の美しい水辺の出会いがある。
お花を分け与える少女。
一緒にそれを水に浮かべるそれだけに
どれだけの無垢さが伝わるのか。

しかし、物語は、誤って少女は殺されると言う結末で終わる。
それを見ていたアナは、
アナの世界の中では消化しきれない出来事であり
イザベルに「何故?」を問う。
「何故、少女は殺され、何故、フランケンシュタインは皆に殺された?」

イザベルは、家に帰ってから教えてあげると伝え、
父にわからないように、ベッドのサイドにロウソクを灯し、
姉妹での秘密の時間にささやく。

これがミツバチのささやきなのか?

「映画の中の出来事は、作りもの。
少女もフランケンシュタインも死んでいない。
フランケンシュタインは精霊であり、
友達になれば、いつでも呼ぶことが出来るのよ」

イザベルの答えをアナは信じた。

アナの中での「フランケンシュタイン」「精霊」


それから、精霊が棲んでいると言う廃墟を
イザベルに教えられ、
ある日、1人で出かけてみると
大きな足跡を発見し、彼女の精霊への思いは膨らむ。

そんな中、脱走兵が廃墟に隠れ、
アナはそれを見つけ、優しく介抱したり
その交流もフランケンシュタインとオーバーラップするかのように美しい。

しかし、
脱走兵は撃たれ、
観る側の私達は、何を意図するのかわかる世界にいるが
アナの中の世界では、そうじゃなかった。

ますます、アナは、精霊の世界に彷徨っていき、
父親からの問い詰めから、ついに森に逃げて行く。

その幻想の世界の
フランケンシュタインとアナの水辺のシーンは、
まるでアナが観た映画の
少女とのシーンのようであり、
たまらなく無垢で美しかった。
とにかく、心美しい世界がそこにあった。

冒頭から、
家族四人のそれぞれがバラバラの感じで
私にはその予備知識もなかったが、
バックグラウンドには、
スペイン内戦を批判し表していると色んなところで
紹介されていたので、それを表現しているのか。

ミツバチの生態の研究をする老父。
その伴侶としては不釣り合いな若い母。
彼女は、誰かに手紙をしたため、
ノスタルジー以上の思いに駆られていた。
私は要らぬ想像までしてしまった。
しかし、物語ラスト近くでは、
誰かから来た手紙は燃やされ、
その後には、伴侶に優しい仕草を見せる。

そして、姉イザベル。
彼女の言動には、私はいつも腹が立った。
アナに意地悪だとおもったし、からかいが不愉快だった。

死んだふりには、
アナだけではなく私もすっかり騙され、
物語の迷い道に入ってしまったような気持ちになった。
それから、
猫の首を絞めたり、
自分の血を唇に塗ったり。
これも大人への過程の一つではあるのだが。

そんなイザベルも
幻想の世界を経験した後のアナには、
何かしら今まで違ったものを感じ取ったのかもしれない。

ラストシーン。
アナが「私はアナ」と夜中に外に向かって語りかけるのは、
何を意味するのだろう?

精霊との交わり。
アナの無垢さに圧倒され、
いつの頃か、私は前つのめりで、映画を見ていた。

こういう繊細な映画を見ると
今まで見てきた同じような映画も思い出す。

今回は、ふと はちみつ と シベールの日曜日を思い出した。





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