映画を語ろう。
愛を語ろう。
ペンタゴンペーパーズ〜The Post

JUGEMテーマ:洋画 

 

あのベトナム戦争は、泥沼化した。

「タクシードライバー」「ディアハンター」

多くの映画の中で、深く傷を負ったものたちの悲しみが漂う。

 

あのベトナム戦争の結末はどうであったか?

私の記憶の中では、

大国アメリカが、長い間苦戦し

ベトナムが勝利したというものになっている。

当時、大統領はニクソン大統領であった。

 

この映画は、ベトナム戦争の実態を隠し、国民を欺き

戦争を進めていった政府の機密〜ペンタゴンペーパーズを

新聞に載せたワシントンポスト誌の英断の物語である。

 

そして、それだけではなく

男性社会の真っ只中で、

キャサリン・グラハムという女性がやってのけたところにも大いに意義がある。

 

タバコとインクの臭い、時間との闘い、

男の社会の中で、ポストという新聞社を継承して行くキャサリン。

平凡な主婦であったのに

夫の自殺により、やむを得なく社長になった彼女には

そう、たやすく自信などつくはずもなく、どことなく危うい。

キャサリン役は、メリルストリープ。

 

 

このペンタゴンペーパーズを最初にスクープしたのは、

ニューヨークタイムズ紙であったが、

強烈な機密文書であり、

その後、政府から差し止めを命じられる。

それはつまり、同じことをすれば反逆罪、刑務所行きなのだ。

 

そんな中で、記事を載せるか載せないかで、ポスト社は

キャサリンの英断に賭けた。

 

「Go」「やりましょう!」

 

二時間余りのこの映画、あっという間に終わった。

無駄がない。

 

父を新聞社のオーナーに持ち

幼い頃から、その姿を見てきたことが、目には見えないパワーとして

キャサリンの最後の言葉になっていたような気がした。

 

弁護士からの忠告、役員からの忠告に対して、

父親の会社でもなく、夫の会社でもなく 私の会社であり

誰よりも一番長くポスト社と共に生きてきたと語るシーンは、

実に重みがある。

 

遺産のことなどわかっていないわけではないのだ。

 

編集長ブラッドリー役は、トムハンクス。

毒づくようなアクの強い役柄だ。

ペンタゴンペーパーズを載せる!と彼は、妻に自慢げに語るが、

 

キャサリンの英断とブラッドリーの決断。

 

そこには、どれだけのリスクの違いがあるか

ブラッドリーの仕事を支える妻の言葉によって、キャサリンの一言の重みを知る。

 

料理を作って、仕事仲間に振舞って

ブラッドリーに尽くす妻だから、言える言葉。

女性という立場にも関わらず、キャサリンは、勇敢だった。

 

ベトナム戦争の意義。

100%中の70%は、ただアメリカが負けたくないだけの理由であり

そのために、若者が送られ、犠牲となった。

 

戦争とは、一体何のだろう? 偉い人たちのエゴでしかないのか。

 

映画は、ニクソン大統領のその後のウォーターゲート事件への

関与を示して、エンディング。

つまり、ペンタゴンペーパーズによって報道の自由が守られ、

国民の利益が守られた第一歩からの足音が、そこにあった。

 

 

 

 

 

 

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ハッピーエンドが書けるまで〜Stuck in Love

JUGEMテーマ:洋画 

父親と母親、娘サマンサ、息子ラスティ

それぞれに求めているものは愛なのに、どうしていいのかわからない。

もがきながらも前へ進んでいく物語。

 

小説家の父親は、離婚した妻に未練があり、彼女の家に不法侵入する始末。

 

娘のサマンサは、ロマンティストかリアリスト

人には二種類あると、ラスティに説教をするくらい、

親の離婚に痛手を受けている。

amazonプライム映画字幕によると、

〜リアリストは、意中の人をいい女の一人としてみる

ロマンティストは、その人が神が選んだ1人だと信じる

でも神はいないし、

人生の意義も思い込みにすぎない

愛を避けなさい。私のモットーよ〜

 

もう、信じて傷つきたくないのだ。殻を作って自分を守る。

 

息子ラスティは、臆病で、ポエムにしたためるが関の山

好きな子に行動としての一歩前に進むことが出来ない。

 

 

そして、物書きという職業の父親を持つサマンサ、ラスティも

同じく小説家の道を選んでいる。

だからこそ、この映画は、要所要所にそういった香りが立ちこめ

本好きの人なら、それも楽しめる。

 

劇中で紹介される本たち

スティーブンキングの 「IT」と「ザ・スタンド」 

サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」

ベバリイクリアリーの「ヘンショーさんへの手紙」

そして、レイモンドカーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」

 

私としては、レイモンドカーヴァーの本にぐっときた。

カーヴァーの本は、村上春樹氏が翻訳しているが、

彼は、この言い回しが好きだと、この題名を頂き

「走ることについて語るときに僕の語ること」という本を書いた。

そして、私は、春樹氏のこの本が大好きで、言い回しもお気に入り。

HPの日記をメルマガにしたものに「私の語ること」というタイトルをつけている。

 

カーヴァーのセンスが、父親のセンスとなっている。

それが、愛についての父親の感性。

Stuck in Love だからこその「愛」

 

愛が怖いサマンサは、言い寄るルイスを

コテンパンに傷つけるためにどんな本が好き?と質問をする。

そのルイス役は、映画「フューリー」で、洗礼名マシーンを与えられたノーマン

 

そこで、ルイスが本気で答えた本のタイトルは「ヘンショーさんへの手紙」

児童書のこれにサマンサは、心を揺さぶられる。

両親が離婚し、自分の胸の内をヘンショーさんという作家へ

手紙を書くことによって、成長していく物語である。

 

 

臆病なラスティが、クリスマスに愛するケイトに選んだ本は

スティーブンキングの「IT」

ラスティは、この本を世界で一番好きなのは自分だと言い切るくらいファンであり、

映画のラスト近くに

スティーブンキングと「スタンドバイミー」について語るシーンがある。

 

ハッピーエンドに向かって、

それぞれが歩む中で、未練がましく、別れた妻をどうして待っているのか。

そんな謎解きが、父親によって語られていくが

その言葉の感性によって、サマンサは癒され、

憎んだ母親と和解したい気持ちがぐっとこみ上げてくる。

 

 

言葉で語れないものと言葉で語れるもの。

その両方をこの映画には感じ取れる。

 

〜鼓動が聞こえた みんなの鼓動が

人が立てる雑音が聞こえた 誰一人動かない

部屋が暗くなっても〜

 

 

 

 

 

 

 

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バベットの晩餐会〜Babettes gaetebud

JUGEMテーマ:洋画 

昔、デンマーク、ユトランドの辺境の村に二人の姉妹が住んでいた。

二人はもう若くはなかった。

マーチーネとフィリバ

〜名前の由来は、宗教家ルターとその友メランヒトンにちなむ。

 

彼女らは、時間と僅かな収入のほとんどを

善行に費やしていた。

彼女らの父親である牧師は、

晩婚でずいぶん前に亡くなった。

 

弟子たちは、年々少なくなったが

姉妹のもとで

今でも聖書を読んだり、牧師の精神を称えたりしていた。

 

姉妹にはフランス人の召使がいた。

名前はバベット

 

ルター派の姉妹に召使とは妙な話であり、

こんな辺鄙なところに

そして、なぜ姉妹のところにバベットがいるかは、

心の奥深く

秘密の領域の問題だった。。と映画の字幕は続き、

マーチーネとフィリパの若い頃に

映画はズームしていく。

 

若い頃のマーチーネとフィリパは美しく、

思いを告げたい男性もあったが、

娘たちは牧師と共に信仰の道を生きていた。

 

マーチーネには謹慎中の若き士官ローレンス

フィリパには、パリの有名なオペラ歌手パパンが、共に求愛したが、

結局、ローレンスは、

ひとかどの人にならなければ

マーチーネと二度と会うまいと誓うほど、深く感じるものを見つけ

また、パパンは、フィリパに歌唱指導をして、

パリで一緒に

その天使の歌声をと思ったが、叶わなかった。

 

時は、35年も過ぎ

ある嵐の日、バベットと言う女性が、

一通の手紙を持って、姉妹の家を訪ねてくる。

 

その手紙を読むと、

パリのパパンからのものであった。

パリでの革命時、夫と息子を殺された、

バベット夫人を助けるために

デンマークの知人を考えたところ

姉妹を思い出さずにはいられなかった。

バベットは料理が得意であるという文面であった。

 

そして、パパンは、

35年間のフィリパへの思いもしたためていた。

 

オペラ座で歌声が聞けず残念だった。

名声とは何か?

結局、人は皆墓に入るのだ。

 

けれど、私の歌姫よ。

今、私は思う。墓場は最後ではないのだと

天国で、再びあなたの歌を聞こう。

 

あなたは、そこで、至高の芸術家となる。

それが神の定め

天使もうっとりするだろう。

昔の友からの心からの敬意をお受け取りください

 

 

清貧な生活の中でも

バベットの料理の才は、目に見えてわかり、

僅かばかりのお金でも豊かな食事が出来ていく。

 

それからまた14年過ぎ、

村人たちも年を取り、いささか短気になり

いさかいも多くなったので、

何とかしようと思い、

姉妹は、牧師の生誕100年を記念して晩さん会を開くことを決めた。

 

そんなある日、フランスから便りが届き、

バベットは、一万フランの宝くじを当てた。

姉妹は、これで、彼女がフランスへ帰るのだと悟る。

 

主は与えられ、取り上げられた。

 

しかし、バベットは、晩さん会を自分のお金でやりたいと申し出て、

フランスまで買い出しに行った。

いよいよ、晩餐会の日。

その日には、立派な将校となったローレンスも叔母と一緒にやってきた。

 

バベットが作り出す料理。

将校となり洗練されたローレンスが

フランスで味わった女料理長の食事を思いだし、彼の発する言葉で、

どれだけの価値があるのか、伝わってくるが

 

それにもまして、語らなくても、

村人たちの顔がどんどん綻んでゆく中で、

如何にバベットの料理が素晴らしいものか、わかってくる。

 

すべてが終わり、マーチーネが

バベットにお礼を言うと、

ローレンスがフランスでであった女料理長こそ

バベットその人だと知る。

 

 

姉妹は、この素晴らしい食事は、

バベットがフランスに帰っても忘れないと告げると

バベットは、すべてを失くしたので、帰らない。

一万フランすべて晩餐会に使ったという。

 

一生貧乏のままで終わってしまうのではと

心配する姉妹であったが、

バベットは、パパンの言葉を引用し、

貧しい芸術家などいないと答え

そして、フィリパもパパンの言葉を引用し、

至高の芸術家になれると彼女を褒め称えた。

 

ローレンスは、これからも

マーチーネに至上の愛を誓い、別れを告げた。

 

どうして、こんなにあらすじばかり書いているのであろう?

何がどうということは一つもない物語。

だが、見ているうちに

告解でもしているように涙が出てくる。

 

何故なんだろうな?

清らかな心の人を見るということは、

こういうことではないか?

ローレンスが、

マーチーネと共にいることが、

いたたまれなくなって、

聖書の学びの集会から去っていく。

きっと、そんな風な思いというか、

心が洗われていく思いで、泣けてきた。

 

そう、そこには

つつましやかに

時と僅かな収入に善行を費やす清廉な姉妹がいた。

そして、善行を助けてくれるよう

バベット言う召使が神によって与えられた。

 

優しく心の汚れを洗い流してくれた映画だった。

 

 

 

 

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フルートベール駅で〜Fruitvale Station

JUGEMテーマ:洋画

2009年元旦、

アメリカ カリフォルニア州 フルートベール駅で

罪なき黒人が白人警官に撃たれた。

その殺人事件を素に

被害者 オスカーグラント三世の

残された人生の最後の2日間を映像で追う。

 

映画の始まりは、

実録のオスカーがフルートベール駅のホームで

警官に暴行を加えられ撃たれる瞬間だった。

パン!

乾燥した拳銃の音

 

オスカーグラント

前科あり、

遅刻の常習犯。現在 定職がない。

浮気癖あり。娘一人。

何よりも彼女と娘Tを愛している。

 

撃たれる前日の大晦日

それは愛するママの誕生日。

ママの誕生日を祝いたい。

そんな時、妹からの電話。

「悪い知らせよ。 家賃が払えない。お金を貸せて

良い知らせよ。 今日残業なの。」

 

定職のないオスカーが考えたこと。

また、危ない仕事〜薬の売人。

お客との待ち合わせ場所に向かったオスカー。

そこで、彼は刑務所での

愛するママとの会話を思い出す。

 

今日は、ママの誕生日。

認めてもらえる子供になりたくって

彼が起こした行動は、

映画を見ている人なら誰しも

その先に未来がほしかったと思う。

次の日に死ぬなんて。。

 

ママの誕生日を祝い、

さあ〜街に出かけて、新年を祝おうじゃないの!

 

愛するママは、危ないからと

車ではなく、電車を使うように進めた。

 

オスカーは、

仲間に電話した。

そう、ママのいうとおり電車を選んだから。

 

電車に乗り、街に着いたけど

彼女たちが寒くって

トイレに行きたいっていうもんだから、探してあげたオスカー。

そこに妊婦を連れた人がやってきて

オスカーは、また口利きをしてあげた。

もう、トイレは貸せないと言われていたのに。。

優しいオスカー。

 

彼女たちの用が終わるのを待つ間、

会話する二人。

 

結婚するの?

 

結婚出来ない。無職だから。

 

そんなこと大したことではないと

自分も無職で貧乏で、

そして、自分で仕事を始めて、指輪を買ったんだと語る彼氏。

最後にオスカーに名刺を渡してくれた。

何かあったら電話して!

 

未来が見える。チャンスが舞い降りた。

こんなに明るい未来が待っているはずなのに。

何故! 映画の冒頭のシーンが未来なの!

 

こうやって、映画の一つ一つの出来事を書いているのは、

オスカーの残された2日間にどれだけの恵みがあったか、

どれだけ善き人になって、

どれだけ善き息子、彼氏、父親 隣人になっていったかを伝えたくて

 

白人と黒人の確執は、長い間の歴史があり

どちらにも言い分があるだろう。

ただ、この事件に関しては、

丸腰のものへ

それも背中から撃つという行為は、犯罪そのもの。

 

現場にいる彼女は、

オスカーの居る場所へは近づくことも許されなかった。

また、何故救急車にも一緒に乗れないのか。

 

毅然と振舞っていた母親だが、

病院で、殺人事件だからと

最後に抱くことさえ許されなかった時、泣いた。

 

登場人物全てが、

皆 最後はオスカーに優しくって優しくって

オスカーは、偉い人でもないし、前科もあるし

遅刻もするけど、

彼の優しさが 皆をそうさせたと思った。

 

もし、この世に次の日もあったのなら。

 

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フォーウェディング〜Four Weddings and a Funeral

JUGEMテーマ:洋画

結婚に踏み切れないチャールズとその仲間たちの

四つのウェディングと一つのお葬式のお話。

 

ヒューグラント演じるチャールズは、

今日も今日とて、同居している妹分のスカーレットと共に

花婿付添人として、結婚式に出かける。

 

 恋愛相手はたくさんいるが、

 どうも結婚までを考える相手に出会えない。

 しかし、今回の結婚式で、

 彼は、イギリスにやってきた

 アメリカ女性に出会う。

 

                                                素敵な黒いハットを被っているキャリー。

しかし、仲間のフィオナに聞けば、一言 アバズレ!      

   

それでも彼には気にかかるキャリー。 
何とか彼女のホテルまで行き、一夜を共にするが、

翌朝の彼女の言葉にチャールズは戸惑った。

 

 「婚約発表はいつにする?」

 突拍子もないような言葉の真意。

 運命を感じたのにも関わらず

 キャリーの言葉を受け止めることの出来ないチャールズ

 ピリオドを打つキャリー
 

そして、二つ目の結婚式でもキャリーと出会い、

満を持して、思いを打ち明けようとするが

彼女はすでに婚約をしていた。 

 

そのキャリーの結婚式で、友人のギャレスが倒れた。

周りの友人たちに、結婚相手を積極的に見つけよと

優しく語りかけていたギャレス。

彼は、同性愛者で、仲間の一人マシューとパートナーの間柄であり、

つまり、独身で結婚できない仲間の中で

唯一、愛し愛される存在を見つけた人だった。

 

ギャレスの葬式で、マシューが弔辞を述べる。

それは、まぎれもない深い愛。

                

その思いの言葉が見つからなく、

彼はオーデンの詩を借りて、哀しみを伝えてくれた。

一見ドタバタのような恋愛映画で終わるかと思いきや

マシューのギャレスへの思いのこのシーンで、

どんでん返し、記憶に残る映画となった。

 

人には、誰でも主人公になれる時がある。

それは、結婚式と葬式。

そう語りながら、

同性愛者として決して叶うことのない結婚式ではなく葬式で、

ギャレスは主人公になれたのか。

 

以下が、オーデンの詩です。

色んな訳があるけれど、

この映画の字幕の方の訳が、

一番しっくり心に入ってきた。

 

時計を止めよ 電話を切れ 

ほえる犬を黙らせよ
ピアノもドラムも止めよ 

棺を出せ
嘆きの列を通せ     

飛行機を空に飛ばしー
こう 書かせよう     

彼は死んだ


ハトの白い首に黒い喪章を巻け
警官は黒い手袋をはめよ


彼は私の道しるべ
仕事の毎日 休みの日曜
私の真昼 真夜中
おしゃべり そして歌


愛は永遠と思ったがー
それは違う


星も意味はない
一掃せよ
月も太陽も排除しよう
海も森も遠ざけよ


慰めるものは何もない

 

 

結局、エンドロールで、チャールズとキャリー、

その他の結婚できなかった面々のその後が映し出されるが、

皆ハッピーエンドでよかったね。

 

 

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フューリー
JUGEMテーマ:洋画
第二次世界大戦の最中
ナチスドイツ軍と戦った
戦車フューリー号のクルー5人の物語。

これは、戦争映画か?
それとも何なんだ!
キャプテン〜ドン・ウォーダディ
そして、通称バイブル、クーンアス、ゴルドと言われる面々
彼らは、北アフリカからずっと
一緒に戦い生き抜いてきた。
そのフューリー号に
新たなクルーが配属された。
「前線はどこだ?」
戦闘も知らない、戦車にも乗ったことがない
新米兵士ノーマン。

「ありとあらゆる方向が前線さ!」

いったいこんな奴とフューリー号に乗れるのか。

そして、事故が起きた。
副操縦士として乗りこんだノーマンの
判断ミスで、フューリー号の前を走っていた戦車が破壊される。
ノーマンは、ドイツの少年兵を見つけていたにも関わらず
発砲しなかった。
「子どもだったから」
しかし、その少年兵が、襲撃し、
味方の中佐が死んだのだ。
怒り狂うブラッドピット演じるドン・ウォーダディ
 僕は殺したくない。叫ぶノーマン。
その思いは、いかなる時でも正義か?
ドンは、見つけたドイツ兵を殺すように
ノーマンに命じる。
嫌がるノーマンに
ピストルを持たせ引金を引いた。


       
            
 


これが戦争なんだ。
理想と現実。戦争と平和。

ウォーダディ率いるフューリー号は、
小さな町にやってきた。
防衛戦に参加しない市民を見せしめのために吊るし上げにするナチス。
その残酷な支配を制圧している時
ウォーダディは、民家に隠れているドイツ人の女性二人を見つけた。
ノーマンと一緒に四人で
ひと時の安らぎの時間を過ごす。
 若い二人のつかの間の幸せ。
いつも思うが、戦争時のピアノは
どれだけ、心を癒してくれるものであるかと思う。
ノーマンの優しい音楽が
エマの心に触れた。
どうぞ、このまま。
この時を。永遠を誓い合いたい。

しかし、無情にもドイツ軍の砲撃で、エマの家は破壊された。
がれきに埋もれたエマは、もう死んでいる。
ノーマンは、そのがれきに向かって行こうとしていた。

「お前はキリストか!」

「血も涙もないのか!」
激しいやり取りをするノーマンとクーンアス。

戦争なんだ。今は戦争なんだ。
血も涙も抱えながらも使命がある。
ノーマンをフューリー号に連れて帰ってきたのは、
エマの家でつかの間の食事を
台無しにしようとしていたクーンアスだった。

その町を通過し、フューリー号の次の任務が宛がわれた。

それは交差点を封じ込めること。         
小隊を組んでいったが、敵の戦車に三台撃破され、


とうとう、フューリー号たった一台で
交差点を封鎖することになってしまった。
しかし、その交差点に来た時、地雷を踏み走行不可能となる。
そして、そこにドイツ軍がやってくる足音が聞こえ、
彼らはどう逃げたらいいのか。

ウォーダディがいう。
これが、なんだ。
フューリー号から逃げるなんてできない。
他のクルーは、
さあ、どうするのか。
この映画で、バイブルというクルーが出てくる。
実に何故、バイブルという役が必要なのか。
最後のこのシーン失くして、それは語れない。
彼は旧約聖書のイザヤ書6章を唱える。

その時、主の声を聞いた。
誰を遣わそう?
誰が行くだろう?
そしてー
私は言った。
私がおります。
私を遣わして下さい


これは、イザヤの召命なのだ。
ドンと共に戦ってきたクルーは、
ノーマンに言っていた。
ドンがずっと命を守ってくれた。
そして、そのドンの家で、何を守る。
命より大切な何を守る?

最後の晩餐のごとく、彼らはウイスキーを飲み干す。
ドン
   バイブル
    クーンアス   ゴルド

そして、ノーマンは、この時洗礼名を与えられる マシーンという使徒なのだ
      


彼らは、ここに踏みとどまり、
平和を勝ち取るために戦争を終わらせる使命があった。

交差点の十字路は、
右にも左にも上にも下にも行かない
天と繋がれた場所なのだ。



ラストのこの映像が全てを物語る。

愛を語り、平和を語るためには
戦わなければならない使命の人もいる。
犠牲なくして、求めるられるほど
たやすくない平和。
最後に残ったノーマンの見たものは
何だったのか。


フューリーとは、怒りであり
何を象徴し、その十字で留まったのか。
そして、救ったのか。

映画「神々と男たち」を思い出した。
フランスに脱出することを止め
自分たちの使命を果たし、
アルジェリアで行方不明になった神父たち。
それと同じようにこの映画も深く感動した。
フューリーも信仰の物語のような気がしてならない。


 
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母の身終い
JUGEMテーマ:洋画
尊厳死を望む余命いくばくもない母親と
刑務所から出所してきた息子が
過ごす最期の日までを淡々と綴った映画。

ただ、この映画のいうところの「尊厳死」というものを
私は認めることが出来ない。

映画では、自殺ほう助という台詞も流れるが、
苦しくもがきながらも、それを受け止めて
出来るだけ自然の最期を迎えようとする「尊厳死」を選ぶ患者に対して
自分から死にゆく日を選ぶものに
その言葉は値するであろうか?

スイスで出来るそれは、
ただ、コップ一杯の薬を飲み、
眠くなって死ぬその時まで、ベッドで横たわる。
これが、「尊厳死」なのか?

彼女は、自分の意思に沿うことなく家で
突然バタッと死ぬことが嫌だった。

スイスの施設の人と最後の面談で、
信仰心、神様の存在を聞くところがある。
彼女は、洗礼を受けただけで、神を信じるわけでもなかった。

自分の身終い、けりをつける。
けりをつけるには、意思がある時。
ならば、
それは、自分の手でけりをつける。
自分の手の代わりに自殺ほう助 イコール スイスの施設。

毎日、淡いブルーの洋服を着て、
ブルーのベッドに寝て、
全てがブルーに統一された
綺麗好きで、ジクソーパズルが好きで、秩序正しい生活。

それに相反するような息子と親子喧嘩をする場面があるが、
ろくでもない息子アランにこちらも腹立たしくなるばかり。

そのアランは、出所後、ボウリング場で
たまたま隣のレーンで知り得た女性と愛を交わすことになるが
自分の今の身の上を語ることが出来ず、さよならを迎える。

しかし、母をスイスの施設に連れていく時に
偶然出会い、もう別れたはずだが、
あの時の答えだと、
18か月間刑務所にいて、今は母親の家に住み失業中と伝えた。

「そんなこと何とも思わない」

彼女の答えと彼の後悔の後に出した「けり」のつけ方。
母の身終いの前に、
1人で社会に向かう道筋を見つけたような気がしたのは
私だけかな?

淡々とすぎていく
人生は人生で、生きるも死ぬも尊厳を持って。

その言葉とは裏腹に
苦悩を突き抜けた後の尊厳死こそ、私の中の「尊厳死」。
死の時を選ぶことが出来るビジネスに依存するのは、
決してそうじゃないと私は思う。
人間の驕りにしか思えない。

ただ、スイスのその様な施設と協会があったのを知ったのは有意義だった。

 
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ボトルドリームカリフォルニアワインの奇跡
JUGEMテーマ:洋画
  フランスでワインの試飲会が行われた。
銘柄を隠し、競い合う
アメリカワインとフランスワイン。

フランスの胸を借りるつもりで、
カリフォルニア・ナパバレーのワインは出品され、
見事、1976年に白も赤もナパのワインが一位になった。
その実話を基にした映画。

フランスワインをお好きな方には申し訳ないが、
実に爽快!愉快な映画だった。

英国人評論家スパリュアが、
美味しいワインを求めて、ナパにやってくる。
そして、想像をはるかに超えた
ナパのワインの美味しさにどんどん魅了されていくのだが、
アランリックマンが、その役を好演している。

彼は、映画「ハリーポッター」のスネイプ先生役もしており、
私には、その声からイメージが離れず
ちょっといけ好かない英国人気取りも
どうしても素敵なスパリュアだと感じてしまう。

ワインと言ったら、フランスという神話が、覆される1976年。
その時の記念のボトルは、
今もスミソニアン博物館に展示されているらしい。

歴史的なその1976年。
シャトーモンテレーナーのオーナー ジム
そして、息子ボー 
ボーの友達でありシャトーで働くグスタボ
それにサムという女の子
彼らのワインに注ぐ情熱が、
上手く上手くワイン作りと絡み合っている。

劇中の台詞から引用だが、
イタリアの天文学者
ガリレオガリレイは、
「ワインとは、水が結び付けた太陽の光」だと言ったそうだが、
美味しいワインは、
土壌とワインの木と果実できまるらしい。

その優勝したワインは、本当に奇跡的なワインだった〜

ジムは、資金繰りも出来ずに借金だらけで
倒産寸前。
それに、美味しいのに色のついたシャルドネは、
商品価値もないのだ。
しかたなく、廃棄処分を決めて
トラックに積んで業者に捨ててもらう手はずを整え、
ジム自身は、シャトーをあとにした。

しかし、奇跡の奇跡が起きた!

ボーとサムは、
こんなに美味しいのに
金色に輝くシャルドネは、失敗作なのか?
専門家に見てもらいに行くと
それこそ まさに
パーフェクトだからの「金色」の輝き、
二三日もすれば、白く透き通ったシャルドネに変わっていくという。

やったぁ〜!!と二人は
廃棄されてしまう500ケースのシャルドネを求めて
急いで帰るが、シャトーには、もうあとかたもなく。。
意気消沈し、街のバーに向かう。

そこで、彼らに差しだされたワインは
そう!
廃棄になったはずのシャルドネであった。
知り合いのバーのカウンター嬢の機転で、
店が買い取っていたのだ。

と、嘘のような本当の実話なのだから、
このワインは、やっぱりすごいパワーをもったワインなのだろう。

また、ナパから
フランスの試飲会に持っていくために
スパリュアが飛行機の貨物室では、
揺れてワインの味がすぐに戻らないので
手荷物として運ぼうとした時の奇跡もすごい。

26本あったワイン。
1人一本しか手荷物として持ち込めない。
そこで、事情を話し
同じ便に乗る人たちが、一本ずつ手荷物として申請し
すべて、フランスまで運ぶことが出来た、
オーブラボー!

最後にスパリュアが、
今後世界のワイン事情が変わっていく。
具体的には、、
アフリカ、オーストラリア、中国などという名前を出している。

現在、フランスだけのワインじゃなく
世界中で美味しいワインがしのぎを削っていて、
私はワインを楽しんでいる。
けれど、一番好きなのはナパのワイン。

先日もワインを飲んでいる時
ある人が、
ワインはボルドーね。
アメリカのカリフォルニアワインだけは頂けないわ
と、言われたので、
私は、一番好きなのはカリフォルニアワインだわと答えた。
その時に、この映画の事を知っていたのなら。。
ふと、そんなことを思った。





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はじまりは5つ星ホテルから〜Viaggio sola
覆面調査員として、世界中の一流ホテルに泊まり、
ホテルの評価を仕事とする独身のイレーネ。
人生の90パーセントは、
そんなゴージャスな場所を渡り歩き、美味しいものを食べながらも
彷徨い悩んで見つけた彼女なりの生き方のお話。

幸せの形は一つじゃない。
それぞれの幸せを認めてくれる
決して、幸せの押し付けをしない
後味の良い映画だった。


彼女を取り巻く
彼女と違った幸せの代表は、
子どもと夫のいる家族を持った妹シルヴィア。
独身女性であるイレーネと既婚女性のシルヴィアのお互いの言い分は、
社会の縮図であり、
女にとって 結婚、出産 というものが
どれほどの人生の選択の中で大きなものか。

それは、イレーネの親友となった昔の恋人アンドレアとの関係でもうかがえる。
アンドレアの新しい彼女に赤ちゃんが出来たことから
過去の二人の出来事や
アンドレアの今後の幸せが交差する。

そんな中、旅先で出会った一人の女性ケイトシャーマンとの交流で、
彼女人生がぐらつき始める。
このままでいいの?
この先も独りでいいの?
孤独という恐怖が襲い掛かる。

でも、多かれ少なかれ、
ある程度年齢を過ぎ、死を意識することがあると
誰でも思うことだし、
だから伴侶を求める性というものが人間にはあるのではないかと私は思う。
孤独は堪えられない。
一時の感情はそうかもしれないけれど
果たして、ずっと自由に独りで生きてきたものに
伴侶を得たことでの束縛は堪えれるのか。

彼女が最後に選んだ道は、
ジョージクルーニの
映画「マイレージ、マイライフ」を思い出させてくれた。

世界の都市から都市へ移動して、ホテルに泊まって
溜まったマイレージは、
生きている証し〜彼女だけのオリジナルな最高の人生。
彼女しか歩めない人生。
何かを捨てなければつかめないものもある。
イレーネにとっての価値は、自由と冒険。

最後に
イレーネが感化されるケイトシャーマンが語る
性行為についてのくだりは、全く同感だ。
異常性行為などに走ったりするものもいるけど
本当は、単なる性行為を人間は求めているんじゃない。
「ふれあい」を求めているということ。

こころとこころのふれあいがあるから、その行為は愛の行為になるのだ。


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東ベルリンから来た女〜Barbara
 東ベルリンの大きな病院から小さな田舎町の病院へ
左遷されてきた美しい女医バルバラ。
それは、当時まだベルリンの壁のあった東ドイツの政治体制の中で
西側の国に移住することを求めたからであり
反逆の証しと捉えられたからである。

エリートのバルバラは、当然のように田舎町では浮くけれど
上司のアンドレは、常に優しい。
怒りんぼうとあだ名されるくらいの彼女になぜか優しい。
私は善き医者には二通りあるのではと思う。
アンドレのように常に優しい顔を見せて、
患者に不安を与えないものと
バルバラのようにクールで、顔色を変えずに
不安を与えないもの。
そして、両者とも顔の下では、医者としての情熱の魂が生きる。

ステラという少女が病院に運ばれてきた。
押さえつける警察の手を取り払い
優しい手を差し伸べたのはバルバラであった。
矯正収容所から抜け出した
仮病の常習犯の彼女を疑うことなく
運ばれた原因の病気を親身になって診ることで、
ステラは心を開く。

ただ、ステラは、逃げたかった。
矯正という名の牢獄の収容所から
この東ドイツという国から。

バルバラも逃げたかった。
監視下の中での生活。
特に女性の警察が彼女を裸にし、調査する屈辱は耐え難いものではなかったか。

バルバラの支えは、西からやってくる恋人との逢瀬と
彼が西側の国へ亡命させてくれるという計画。
もう、目の前まで、西の自由は見えていた。
しかし、準備万端で決行の夜、
彼女の部屋に
また矯正収容所に戻されたステラが、ひどい様相でやってきた。
彼女は、命からがら、命を懸けて、また脱走したのだ。
バルバラに助けを求めて。

そこで、バルバラが決断したラストは、
涙一つ見せないが、
こちらには、その愛が伝わり涙が出てしまった。
あ〜そうなのか。
暗い夜道を走る一つの自転車。
ステラを乗せて、バルバラは漕ぐ、漕ぐ、漕ぐ。
その場所に向かって、漕ぐ。

彼女は、深い愛を持ってステラを助け
医者として生きることに決めた。
尊厳、プライド、自分を守るものは、いろいろあるが
医者というものの気高さを思った。
命をつなぐこと、助けることとは、
どこからどこまでの範囲であろうか。
ただ、関わった以上最後まで思うのが
彼女の生きる〜人生なのだと思った。

ステラを見送った後、彼女は向かった。
もう一人、ほっとけない患者が待ってる病院へ
お互いに好意を感じ始めた上司アンドレが待ってる病院へ
クールな怒りんぼうのような顔つきは、変わらないままで。

何ら無駄のない作品。
終わり方もスマートでクールで、素敵な作品でした。




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