映画を語ろう。
愛を語ろう。
少女は自転車に乗って
JUGEMテーマ:洋画
お転婆な少女ワジダの
自転車に乗りたいと言う夢を叶える
ただそれだけのことなのに胸にくるものは何なのかな?

自爆と言う言葉も普通に飛び交う社会
厳しい戒律のイスラムの世界では、
女性と男性の地位の違いが歴然で
一夫多妻制は存在し、
制約だらけの教育にうんざりしそうだ。

これだけ世界が広がり、情報も流れている中で
自由がないことにも従順な女性たちと
隠れてそれを求める女性たち。

少女ワジダは、自我を持った女性だ。
それが、ことごとく学校の女性校長と対立する。

カセットテープで、英語の音楽を聴き、
母親の運転手には、
母親を思うあまりに文句を言って噛みつき
物事に動じない。
彼女には、目標がある。自転車を買いたい。
自転車が欲しい。

そんな時、学校でコーランの暗唱コンテストが開かれることになった。
賞金は1000リヤル。
自転車は800リヤル。
やるしかない!
大嫌いな苦手な分野だが、
宗教クラブに入り、
コーランの勉強ソフトを買い、
彼女は、みるみる殻を破っていく。

コーランの暗唱は独特だ。言葉はメロディになっていく。
韻の踏み方に慣れないワジダに
母親が自分の若かりし頃の思い出を語りながら、
手ほどきをしていくところは、とっても素敵な親子関係。

そして、とうとう
コンテストの日。
誰よりもワジダの暗唱は、素晴らしく優勝した。
賞金がもらえる!自転車が買える!

しかし、女性校長が、賞金を何に使うか?と聞いたところで
何もかも暗転する。
そこにも自由はなかった。
パレスチナの同胞のための寄付。
神の御加護がありますように。

その後、女性校長のワジダに向かって吐き捨てた言葉
そして、それに向かって
ワジダが校長に言ってのけた言葉。

屈服しそうな環境の中で
ワジダの強い精神が垣間見えて、
私は悔しさを少しだけふっきることが出来た。

自転車は、買えない。
そんな彼女を優しく思いやる少年アブダラ

物語は、
ワジダの出来事と並行して
母親と父親の修復出来ない関係も進行していく。

ラストシーンの母親の髪の毛に目がいったのは、
きっと私だけではないはず。

強い意志のワジダと共に
母親もどうにもならないイスラムの世界で
何かを捨て、強く生きる覚悟を決めた。
そして、ワジダには、
「自転車」を


自転車に乗ったワジダ
伴走していくアブダラ。
彼らには未来が待っている。      
強く自我をもって生きることは、
あの世界では厳しいかもしれない。




でも、ワジダは、自転車に乗って進むんだ。
目の前には、自動車が絶え間なく行き来しているけど
彼女なら、自転車に乗って進んでいける
希望のラストシーン。








 
さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
17歳のエンディングノート
JUGEMテーマ:洋画

♪人生は、瞬間の連続。解き放とう!♪ 
映画の中より、素敵な言葉

白血病によって、余命宣言をされている17歳のテッサ。
限られた時間の中で、
彼女は、死ぬまでにしたいリストを作り、それを実行していく。
と、ストーリー自身は、いたってシンプル。


しかし、本当に本当にテッサを愛しているパパや
普通に普通にテッサに接する弟
死ぬまでのTo doリストを一緒にしてくれる友達
そして、現実を受け止めるには、もろすぎるママと
きっと、神様からの贈り物なのかな。。
死に向かっていく中で、愛する人となったアダム。
彼らとの何気ない会話が、心に響いてしまう。


テッサ役は、ダコタファニング。
「アイアムサム」で、
あんなにしっかりした子供がいるんだろうか?と思うほどの
出来すぎる娘を演じていたけど、
今回は、淡々としながらも、
精一杯愛を受けたテッサを演じている。

弟は、テッサに向かって
お姉ちゃんが死んだら、僕にとりつくの?
とか言ってみたり
死んだら旅行に行こう!と
テッサを目の前にしてパパに話したり、
タブーじゃない「今」を一緒に生きている。

そう、素晴らしい瞬間の連続を生きる。

パパとテッサの会話は、
どれをとっても
想いが溢れかえっている。

小さな時は、ママと二人で、寝ているテッサをずっと見ていた。
息が止まりはしないかと。。ずっとずっと。
そう、いくつになっても色んなことが心配になるんだよ
と朝帰りのテッサに話すパパ。


愛するアダムは、
死に向かうテッサの事を受け止められないよと
テッサに深入りを忠告するパパに、
首を横に振るテッサ。
しかし、それでも傷ついたら?
と念を押せば
その時は、私には パパがいる
とさり気なく切り返すテッサ。

先が見えてきた時間の中で
どうしようもなく愛して愛している。だから死なないでくれ。
パパの宝物なんだと崩れるパパを
やさしくかばうテッサ。


アダムは、突然のテッサの発作、苦しみに戸惑い
立ちすくむしかなかったけれど、
出来ることを彼なりにやってみた。

それは、To do リストの一つを街中にすること。

病院帰りにパパの車の中から
それを見つめるテッサの思いと
アダムの思いが絡み合って、泣けてくる。


一緒にTo doリストをした友達の赤ちゃんが出来れば、
生まれてくる時は
立ち会いたいし
最初に抱きたいというテッサ。

その時まで生きていられるのかと思う友達に
テッサは、生きる「目標」が出来たと言ってのける。

何もかもが、彼女が生きるために
大切な愛なんだ。


そして、痛みはない。
ただ体力がなくなり、眠ることが多くなり、
しまいには、皆の言うことはわかるが、応えることも出来ず、
そして、違った世界に旅立つ
と話してくれる看護師の言葉と交差するように
テッサの永遠が映像として続いていく。

パパは言っていた。

アダム、君には感謝しているよ。

アダムはテッサに向かって言っていた。

愛しているよ。

そんな言葉を聞きながらのテッサの永遠。

まだまだ、
素敵な普通の会話がいっぱいあって、
私は、
パパのように親目線になったり、
アダムとテッサの二人のシーンでは
自分の過去の瞬間を思ったりして
もう〜泣いてもいいじゃないか。

そんなふうに自分の人生も振り返るような気分になった。

あなたなら、どのシーンに自分を重なり合わせるのかな。


さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
ジェーンエア〜Jane Eyre
JUGEMテーマ:洋画
  孤児であったジェーンが本物の愛を知るまでのお話。
ジェーン役にミアワシコウスカ
彼女には不思議な魅力が漂っていて、
私は、「永遠の僕たち」からファンだ。
そして、相手役のロチェスターには、マイケルファスベンダー
彼は、「シェイム」でキャリーマリガンと共演しているが、
この映画では、すぐに気がつかなかった。

物語のオープニングは、
どこからともなく逃げ出してきた瀕死のジェーンを
牧師セントジョンリヴァースと彼の妹達が助けると言うシーンから始まる。

時間の流れを行ったり来たりしながら物語は進んでいく。
ジェーンの生い立ち。
そして、何故、
彼女は、逃げなければならなかったのか。


彼女は、両親を亡くし、叔母の家に引き取られたが
嫌われて、寄宿学校に入れられた。
そこで、一人の優しい少女ヘレンと出会う
意地悪な先生、生徒の中で
ヘレンは深い信仰を持ち、ジェーンに愛情を注いだ。

大人になったジェーンは、家庭教師となり
ロチェスターが後見人であるフランス人のアデールを教えていた。
やがて、孤児で使用人であるジェーンと
ロチェスターは、身分を越えて愛するようになり、
二人は、結婚式までこぎつけたが 
その誓いの前に、ロチェスターの障害を知った。
ロチェスターには、妻がいた。
重婚は、罪。

しかし、その結婚は、
ロチェスターの父親の財産目当てのものであり、
妻となった彼女は、今は半狂乱になり
屋敷に幽閉されていた。

この事実の前に、ジェーンは
ただ、ただ、逃げてきたのだ。

ジェーンと言う女性〜
一貫した信念と強い意志。
彼女の漏らす一つ一つの言葉から感じとれる。

大嫌いな意地悪な叔母であっても
精神的につらい時は、申し出に応え、出向いた。
しかし、そこでも叔母は、
残酷な仕打ちで、彼女を貶めた。
さらに憎むという言葉も付け加えて。

憎む、憎まない。叔母が思うのは勝手であり、
「許します」とジェーンは告げる。
私は、寄宿学校のヘレンとの関わり合いを思った。
決して恨まないヘレンだったから。

ジェーンとロチェスターの愛。
安直な平易な言葉で愛を語るわけでもない。
知的に婉曲的に言葉に思いを込める。
言霊と言霊、
そして言葉を紡ぐ中での行間に
語った後の余韻に
二人の強い愛を感じるのである。
ジェーンの言葉を借りるなら
魂から魂へ。

ラストシーンを見ると
何が愛で、何を愛してるか、
魂がジェーンを呼んだのだ。

この長い話を映画で語るのに
時の流れがスムーズにいくために
ベストなオープニングだったと思う。
物語を知らなくても十分楽しめる。











さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
17歳
JUGEMテーマ:洋画
  17歳と言う響きは、特別なものなのか。
フランス、イギリスといったヨーロッパでは、
18歳を成人とみなすので、大人になる前の危うい時を思うが、
日本でも17歳に18歳でも19歳でもない
特別な輝きを感じてしまうらしく、映画の邦題に使われることが多い。
かくゆう、私も17歳と言う響きにそそられ
この映画の他にも幾つかの映画を観た。

理屈じゃない性と生
それを上手くあらわしているいい映画だと思った。


名門高校生であるイザベルは、
何不自由もない中、娼婦としての顔を持つようになった。
週末はダメ。夜もダメ。夕方までの娼婦の時間。
それは、昔あったフランス映画の「昼顔」のよう。
しかし、ドヌーブ演じる昼顔は、人妻であり、
イザベルには、これと言った理由もなく始めた娼婦の顔。

携帯に着信があり、
やり取りをして、
その場所に行くのが好きだった。
カジュアルなファッションから、堅いスーツにチェンジして
彼女は変わっていく。

そう、何かしら理屈じゃないエネルギーを放出したいの。

名前も知らない相手との行為は、何も感じるものでもないが
ただ、ジョルジュだけは違った。
お互いにやさしく、それ以上を求めない関係。
そのジョルジュが性交中に亡くなった。
それから
今までの事が家族に知れ渡り。。という展開になっていく。

ジョルジュが自分のせいで亡くなった罪悪感。
そして、その行為自体に対しての恐怖
傷ついたメンタル。

そこに絡まっていく同年代の学生や
家族との葛藤の中で、
やりきれない、救われきれないイザベル。

ダメなんだ。同年代の彼でも
キッスをして、ふと、一瞬間 救われたと思ったけど
やっぱり。。ダメなんだ。

携帯のカードを入替え、、
イザベルは娼婦に戻る?

ラストにジョルジュの妻と対面するシーンがあり、
ジョルジュと行為を交わしたホテルの部屋に二人で入っていく。
そこはジョルジュが亡くなった場所。
最後の場所。
それぞれの立場で、それぞれの心を浄化しているのか。

ジョルジュの妻役の
シャーロットランプリングは、相変わらず綺麗で、知的だった。
何か幻想的な終わり方だったので、
解釈の仕方はそれぞれだけど、
私には、素直なイザベルの顔が見えたような気がした。

17歳を越えて、大人になるためには、色んな乗り越え方がある。
正しい道なんてない。
親は、心配のない道をと思うが、どうしようもない選択だってある。

イザベルとクラスの学生たちが、教室で唱えていた詩が
ランボーのもの。
この映画を象徴するかのような詩である。

ふと、私も自分のランボー詩集を開けてみた。

ロマン〜
17歳ともなれば、まじめ一筋ではいられない
ーある宵のこと 生ビールやレモネード
シャンデリアの輝く騒々しいカフェなど打ち捨てて
ー遊歩道のみどりの菩提樹並木を歩くんだ。


と詩は、続いていく。


さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
シカゴ〜CHICAGO
JUGEMテーマ:洋画
  ミュージカルが好きな方も
イマイチ、何故、ここで、突然、歌いだす?踊りだす?と
ミュージカルに拒否反応を起こす方も
一度は、ご覧あれ!
歌が踊りが台詞が。。。という垣根はまったくない!
これがザッツエンターテイメント!

all that jazz〜ええ〜い!ままよ!何でもありさ!

レニ―ゼルウィガー演じるロキシ―は、スターを夢見る人妻。
その彼女は、あこがれのヴェルマの舞台を見た夜、
不倫相手のフレッドを殺してしまった!
それは、その舞台のマネージャーに口利きするという彼の約束が
まったくの嘘だと分かったから。

自業自得よ!フレッド!

愛人殺人容疑でロキシ―が入った拘置所には、
偶然にもあの舞台で踊っていたヴェルマも入っていた。
彼女も夫と妹の浮気現場を目撃し、殺人犯として捕まっていたのだ。

♪自分が何をしたかなんて覚えていないわ〜。
ただ、17番目のシーンを二人でやっていた♪
これは、ヴェルマの殺人の理由だけど、
他の拘置所にいる女囚たちの殺人の経緯も
素晴らしい踊りと歌で圧倒的に表現される!

どんどん、のめりこむ映画、ひきつけられる映画。

そして、敏腕弁護士リチャードギア演じるビリーが
ロキシ―をいかにして無実にするか。。

悪は悪。
わかっているけど、
悪党が皆、素敵に思えてくる。

ヴェルマ演じるキャサリンゼタジョーンズには、驚いた。
彼女のための映画じゃないかと思うほど、
豪快で、たまらなく、上手い!
オープニングのall that jazzの舞台から
最後のロキシ―との舞台まで。

それはそれは、、、
ロキシ―との絡み。
ママモートンとの絡み
なにをとっても素晴らしい。

久しぶりに星5つの映画でした。


さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
17歳のカルテ
JUGEMテーマ:洋画
  ボーダーライン〜境界性人格障害になった主人公が
精神病棟に入れられ、退院までの道のりを描いたもの。
スザンナは、アスピリン一瓶とウォッカを飲んで、自殺を図った?。
あくまでも自殺をしようとしたわけではないと言い放つスザンナ。

精神病棟に入れられるとき、
病院側が、彼女の同意のサインを求めるシーン。
親が勝手にしたことなのにと思うスザンナだが、
18歳以上だからと 個人の意思のサインを促す。
そこに一つの自覚と責任が 
これからも生きるために大切だと教えてくれてるような気がした。

この繊細なスザンナを演じるのは、ウィノナライダー。

この映画には、その他にも素敵な病んだ少女たちがいた。
チキンと便秘薬で生きるデイジー
オズの魔法使いが大好きな虚言癖のジョージーナ
アトピーで犬を飼うことを許されず、
自分の顔に火傷を負わせたポリー
そして、病院から脱走を何度も図るボス的な存在のリサ。

怖々しながらスザンナは次第にリサに惹かれていく。
確かにリサは、何かを代弁するかのようにカッコよく生きている。

しかし、退院したデイジーを死に追いやるリサに
スザンナは、何かを知った。

本当の死を目の前にして、
自分が考えていた死は、どれほどのものであったのだろう。

そして、回心したスザンナは、退院へと向かっていくが、
立ちはだかるのはリサだった。

リサを演じるアンジェリーナ―ジョリーは
これでアカデミー助演女優賞をもらったようだけれど
本当に素晴らしい演技だった。圧巻です。
ウィノナは、この役なら誰でも出来て、
賞をとれるなんて言ったらしいけれど、
いやいや、アンジェリナ―だから、
これだけのインパクトのある映画になったんだと思う。
そして、スザンナもウィノナだからよかったんだと思う。

情熱的な心の壊れ方と
繊細的な心の壊れ方が人間にはあるのだから。
それを適役で演じてくれた二人。

最後に色んな意味で救ってくれるのが
この映画の小粋なところかもしれない。
テレビから流れるオズの魔法使いを観て涙するジョージーナ。
犬は飼えなくても猫を飼うことになったポーリー
そして、永遠にこの精神病棟の袋小路の中で
もがき苦しむしかないと思っているリサに、スザンナが言い放つ。

あなたはもう死んでいる!
冷たい!と
それがどれだけ、彼女を救ってあげたのか。。
嘘だらけでも現実の世界へと
彼女の窓を少しだけ開けてあげたような気がした。







さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
シャドーダンサー
 幼い頃のつらい体験もあって、
コレットは、兄弟と共にIRAの活動をしていたが、
ある時、ロンドンの爆破未遂事件の容疑者として逮捕されてしまう。
だが、その時に敵対するMI5の捜査官マックから、
「幼い息子と彼の祖母を残し、25年刑務所暮らしをするか、
それともIRAの動向を探るスパイになるか」という選択を投げかけられる。
そして、彼女の取った道は、
仲間を裏切り、母として息子の傍で暮らす道だった。

危険な活動の中で
ひと時の安らぎが子どもがいる風景であり
親が子を思う気持ちの普遍性は変わらない。

スパイと言う暗く重い環境なのか、シーン、シーンに色がない。
そこに、美しいコレットが身につける赤や青の原色の洋服が、
別世界を作り出す。努めて、彼女の選んだ色なのか。
一時でも色つきの時間を送りたいのか。


マックは、コレットを守るという約束のために
コレットは、息子マークを守るために活動していく中で
MI5内部での不穏な空気が、どんどん漂い始める。
ラストに向かって、マックが、
コレット以外のスパイの存在を見出すところから物語は急変する。
MI5は、コレットとマックさえもおとりにしていた。

コードネーム:シャドーダンサーは、コレットだけではなかったのだ。
この映画のタイトル〜シャドーダンサーは、
何を意味しているのか、単なるコレットの物語ではないのだ。
これは、母親の母性の繰り返す愛の物語のように思える。
何を裏切ろうと、ただ、母親は子どもを守る。

マックとMI5に突きつけられた真実に
コレットが下した行動は、失った悲しみに対する非情であった。
そして、残された弟一人と息子と三人で旅に出る。

コレット以外のシャドーダンサーは、
最後に懺悔も何も語ることはなかったが、
愛情そのものを見せてくれた。母性そのものを示してくれた。

どんでん返しのラストだった。




さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
最強の二人〜Intouchables
 裕福な白人のフィリップは、
首から下が麻痺し、介護人を必要とする生活を余儀なくされている。
そして、新しい介護人を雇うべき面接に
失業中のドリスがやってきた。
それは、職安が紹介してくれた仕事が
たまたま、フィリップの求人であっただけで
不採用でかまわない。
ただ、頑張って就職活動をしていますという
受付の証明書がほしかっただけ。
そうすれば、失業保険が受給されるからであった。

しかし、学歴も職歴も立派な面接者たちの中、
フィリップが選んだのは、教養も何もないようなドリスだった。

なぜ、フィリップがドリスを選んだのか。
きっと、これまでにも介護人の面接を何度も何度もして、
三日で辞める人
一週間で辞める人、
一月で辞める人
その度に経験を積み重ね、
人を見る目がフィリップには、出来たのだろう。
でなければ、夢物語のような最強の二人にはならないだろう。
だって、これは実話だったのだから。

何の偏見もなく、
一人の人間として付き合うというのは、
人間のいろんな欲や打算が邪魔をする。
そういう意味で、ドリスという人は
正しい人だったし、
フィリップの教養で、
男版マイフェアレディのように
どんどん磨かれ変わっていくのが素敵だ。
何故なら、事実なのだから。

そして、フィリップでさえ
自分の体に偏見を持ち、
あきらめていた夢をドリスが最後にお膳立てする。
それに応えた女性も素晴らしいし、
ハッピーエンドで終わったのがなんともいえない。

この事実の裏側には、きっとつらいつらい事が
たくさんあっただろう。
だけど、
つらかった分、これだけの奇跡が起こったんだと思った。
ドリスが、見せてあげたいものと言って、
フィリップを海の見えるところに連れて行くシーン。
そこには、台詞は一つもなかったが、
私は一番、胸にぐっときた。
言葉より語るものがあった。

こんなびっくりするくらいのハッピーエンドもあるんだ。
人生はどんなことがあっても最後まであきらめちゃいけない。






さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
少年と自転車
 父親から見放され、施設に預けられているシリルと
その里親になったサマンサの愛のお話。
いたってシンプルで、
他に何かを伝えるものもない。
映画とわかっていても
シリルという少年の反抗的な態度に
大人気なく腹が立つし、つい手が出てしまいそうだ。
それでも施設の先生も優しく、
ましてやサマンサの愛情に私は首を傾げてしまった。
たまたま、父親を探して施設を逃げてきたシリルが
ドサクサにまぎれて侵入した病院の待合室にいたのがサマンサであり、
彼女は、シリルにしがみつかれた被害者でもあるのだ。

ただ、
彼女の無償の愛と
シリルが愛によって
変わっていく姿だけを追いかけることになる。

親から見離された子ども、
愛を失った子どもというのは、これだけ心が荒むものなのかと感じるし、
裏切られているのに
それでもそれでもと
シリルが父親を信じる気持ちが哀れで仕方ない。
結局、父親から
電話もしないし、もう、会いにもいかなし
訪ねて来るな!と直接言われたとき、
初めて捨てられた現実を知る。
その時のシリルの悲しみは、
自分の体を痛めつけることで
表されるのだけど、
寄り添うサマンサに
シリルが抱かれて泣く姿に
心が同調する。
救ってあげたいと思った。
私にもやっとシリルを受け入れる気持ちが生まれた。

その後も色々あって、
犯罪にも巻き込まれながらも
サマンサが示す愛情は、一つの私心もなく
すべて受け入れるところに
シリルは、信じるものを見つけたのだろう。
ずっと一緒にいたいと心を許す。

ここまでくると
私もサマンサの愛を受け入れるしかない。
彼女の愛の深さに感服だ。

最後の終わり方が少し尻切れトンボで
ハッピーエンドと言いがたいのだけど、
それはそれでよかったんだ。
このエピソードが残したものは、
シリルの気持ちが、まだまだ成長することなのかと思った。






さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
幸せのキセキ〜We Bought a Zoo
妻を亡くしたマットデイモン演じるベンジャミンミーが、
反抗期の14歳の息子と
まだイースターラビットを信じている7歳の娘を連れて
新しい街で新しい家を買った。
しかし、その家には、動物園がもれなく付いていた。
困難極まりない動物園の再建をしながら、
険悪だった家族の愛も修復するという実話に基づいた物語です。

最初に、この日本語タイトルをあなたはどう思うだろう。
キセキは、カタカナであり、
奇跡だとずっと感じていたが、
見終えた今は、
彼ら家族の冒険の軌跡を見ているような気がする。

まず、動物園を素人が買うということ。
そこには、どんな理由があるのか。
スカーレットヨハンセン演じる動物園の責任者ケリーの
何故?にベンジャミンが答える台詞がこうだ。

「いけないかい?」Why not?

それは、
どんな言葉よりも納得したし、
ラストシーンにつながっていく素敵な言葉です。

反抗期であるディランとベンジャミンの確執は、
互いに失ったものの大きさからなるもの。
人は、安易な思いで
愛する人を忘れて、前に向かって進もうとするが、
それは不可能だ。
亡くして残るのは、
永遠の思い出で、決して、その人の心から消えることはない。
どっぷり思い出になるまで、
傷つきながらも
父として息子として
立ち向かっていかなければ解決しない。
そして、二人は、
ある一頭のトラの死を通し
同じ悲しみを共有し、お互いの悲しみに近づきあい、認め合い
もつれた親子感情が解けていく。

しかし、費用がかかりすぎる動物園の経営。
素寒貧でもうだめかと思ったところに
亡くなった妻の残してくれた財産とメッセージ。
その思いが、彼らの冒険の旅を最後まで助けてくれる。
動物園ありきの彼ら家族の旅。
この世ではなくあの世でしっかりと彼女は愛していた。

感動的に重いものに仕上がってはいない。
さらっとけれど
それぞれの個性が魅力的に描かれた映画でした。









さ行の映画 comments(0) trackbacks(0)
CALENDAR
S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< May 2018 >>
COMMENT
  • 縞模様のパジャマの少年〜The Boy in the Striped Pyjamas
    tk (03/24)
PROFILE
MOBILE
qrcode